09月26日の段、Episode.I!「とんかつよし平」

畑で出来たものなどを親戚の家に届けるため、何ヶ月かに一度、田辺市に行く日がある。
決まって昼ごはんを食べるのは「とんかつ よし平」さんである。

日ごろからどうも香りモノが好きな傾向があるため、大根おろしや刻みネギが乗っている
ネギおろしロースカツ膳
という定食を注文している。
これにテーブルに備え付けの調味料とは別に、このメニュー専用に供される湯浅醤油をかけて食べることで、
「自分はヘルシーな和食を食べているのだ」
という気持ちになることができるのである。

今日は趣向を変えて、シンプルなロースカツ定食を注文してみた。
別皿で出されるゴマをすって、それにテーブルに備え付けのソースを混ぜ、それに豚カツをつけて食べる。

とても当たり前の話、豚本来の香りを楽しむことができた。
豚本来の香りというものを、さらに噛み砕くのは難しいのだが、とにかくあの香りである。
また、ソースが入った皿にパラパラとパン粉が落ちていくことでソースは粘り気を増す。
この「不健康感」がまたたまらない。
この不健康なソースに、次の一切れをネチャネチャとえぐり込むようにつける。
これを目でも楽しんでいる。

日ごろ、おろしのみずみずしさやネギの香り、シャキシャキ感にばかり神経を集中し、肝心の豚を十分楽しんでいないことに気づくことができた。
ネギおろしはネギおろしで、非常に大事なのだけれど、神経を使う先を拡張してやることで食事はより広がりを見せる。
(財政面は人それぞれとして)食に困らなくなった現代において、オレたちは何か大事なことを忘れている気がする。
「漫然と食べている」
という表現が適切だろうか。

なんだか、美味しんぼみたいな話になってしまった。

食べ終わって会計を済ませ、店を出たとき最後に思った。
たにぐち「オレは、せっかくすったゴマを楽しんでいただろうか」

==========

余談ではあるが、愛知に住んでいた頃、特に同じ会社の人間を見ていて思ったことがある。
やたらと色んなものを食べたがるのである。
彼らの表情はいたって普通でありながら、オレにはその
「色んなものを食べたがる様」
が、どこか「狂気じみて」見えた。
日々、色々と変化に富んだものを食べようと思いつつ、それはただ
忙しい生活の中で、個性が薄れていく自分にさいなまれ、
自分がバラエティに富んだ人間であると虚勢を張るための
「材料のねつ造」
をしているようにも見えたのだ。
しかし、そんな彼らが少なからず社会を支えているのだから、彼らの姿があるべき姿、なのかもしれない。
その答えは、どこまでも出ないのだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


名前:たにさん or たにぐちさん
職業:むかし、元オタク
  • アーカイブ

  • 最近の投稿

  • 最近のコメント

  • イマ☆ドキ地味なアクセス件数